葬儀の形

自然葬

死ぬ前に読んでほしいこと

その他の葬制

もしもの備えに

水葬

水葬は葬儀方法の一種で、遺体を海や川に沈めるやり方である。国によっては宗教上の理由から、土をかけて一旦土に返した形(土葬)をとった後に行う場合もある。

日本では2011年現在、法律により国内では、刑法190条の死体遺棄罪に該当するとされる。

航海上の船舶

例外として、日本船籍の船では船員法15条に基づいて、船舶の航行中に船内の人間が死亡した時に、船長の権限で水葬を行える。

船員法に基づいて水葬を行うには、以下の条件を全て満たす必要がある。(船員法施行規則第15条、第16条)

  1. 死亡後24時間経過したこと(伝染病以外)
  2. 衛生上、船内に死体を保存できないこと。(ただし、船舶が死体を載せて入港することを禁止された港に入港しようとするときその他正当の事由があるときを除く)
  3. 医師の乗り組む船舶にあっては、医師が死亡診断書を作成したこと。
  4. 伝染病によって死亡したときは、十分な消毒を行ったこと。
  5. 本人写真の撮影、遺髪、遺品の保管をし、遺体が浮き上がらない処置を講じた上で相当の儀礼をもって行うこと。

また、自衛隊でも水葬に関する事柄が定められている(防衛省訓令 隊員の分限、服務等に関する訓令・第21条)。自衛隊の場合は、船員法の条件と、下の2条件が異なった規定となっている。

  1. 医師が乗り組む船舶にあっては、医師が死亡診断書または死体検案書を作成していること
  2. 伝染病によって死亡したときは、感染症法およびこれに基づいて発する命令の規定による消毒方法をしていること

鳥葬

鳥葬とは葬儀、または死体の処理方法のひとつ。

チベット仏教にて行われるのが有名である。またパールスィーと呼ばれるインドのゾロアスター教徒も鳥葬を行う。国や地域によっては、法律などにより違法行為となる。日本では、刑法190条の死体損壊罪に反する。

チベットの鳥葬はムスタンの数百年後に始まったと考えられ、現在も続いている。

ゾロアスターは古代ペルシア(現在のイラン)にルーツを持ち、死者の肉を削ぎ動物に与える風習があった。

カリフォルニア大学マーセド校の考古学者マーク・アルデンダーファー(Mark Aldenderfer)は、ゾロアスター教の葬儀をアッパームスタンの古代人が取り入れ、その後にチベットの鳥葬へと形を変えた可能性がある」という仮説を提示している。

チベットの鳥葬

宗教上は、魂の抜け出た遺体を「天へと送り届ける」ための方法として行われており、鳥に食べさせるのはその手段に過ぎない。日本では鳥葬という訳語が採用されているが、中国語では天葬、英語では空葬(Sky burial) などと呼ぶ。また、多くの生命を奪ってそれを食べることによって生きてきた人間が、せめて死後の魂が抜け出た肉体を、他の生命のために布施しようという思想もある。死体の処理は、鳥葬を執り行う専門の職人が行い、骨も石で細かく砕いて鳥に食べさせ、あとにはほとんど何も残らない。ただし、地域によっては解体・断片化をほとんど行わないため、骨が残される場合もある。その場合は骨は決まった場所に放置される。職人を充分雇えない貧しい人達で大きな川が近くにある場合は水葬を行う。水葬もそのまま死体を川に流すのではなく、体が切断される。

鳥葬はチベット仏教の伝播している地域で広く行われ、中国のチベット文化圏だけでなくブータン・ネパール北部・インドのチベット文化圏の一部・モンゴルのごく一部でも行われる。ただ、他の国のチベット人には別の葬儀方法が広まりつつある。

後悔しない葬儀選び

樹木葬

樹木葬は、墓石ではなく墓碑として樹木を指定した葬儀の仕方。

樹木葬は、「墓地、埋葬等に関する法律」で墓地として許可を得た場所に、遺骨を埋め樹木を墓標として埋葬する方法である。 墓園全体を樹木葬専用とする霊園と、一般墓地の一画を樹木葬墓地としている霊園がある。

散骨との違い

樹木葬は墓地として許可を得た場所に「埋める」のに対して、散骨は埋葬地と認知されていない場所に「撒く」という点で大きな相違がある。散骨は過去には遺骨遺棄罪(刑法190条)で違法とされていたが、この法律には「撒く」ことを禁止した条文はないため、散骨は、自主規制という形で行われている。散骨する場合、遺骨は粉末化しなければいけない。

解説

ペットなどの動物葬によく見られるが、航空機事故などで遺体が散乱した場合にもこの方法が取られる。旧来は墓石を用意できない者が墓碑を立てる代わりとして木を植えるというのが多かった。基本的に樹齢数百年から数千年の樹が樹木葬に使われていた。

1999年、日本でも岩手県一関市に樹木葬墓地が登場。これは墓地をコンクリートのような人工物で作らないことで、墓地である山の環境を守れるという発想から生まれた。

墓碑として用いられる樹木は、大きくならない低木が一般的で、ハナミズキ、サルスベリ、ウメモドキ、エゾアジサイ、ムシカリ、ツリバナ、モミジ等があげられるが、植樹する地域で生育できること、生態系に悪影響しないことなどが配慮される。

特徴

散骨のようにどこへでも好きなところへ撒くというわけではなく、墓地として許可された場所へしか遺骨を埋葬できないというデメリットがある反面、樹木葬墓地として指定された里山を育てる効果があるとされる。なお、樹木葬は墓地埋葬法に沿っているため、散骨のように遺骨を細かく砕く必要は無い。その為、通常の墓地と同じく埋火葬許可証が必要である。

現在埋葬されている墓地から樹木葬に祭祀を変更する場合には市区町村長の改葬許可が必要となる。これを怠ると刑罰の対象となりうる。

イギリスでも近年、遺骨を埋葬し樹木を植えることは緑化など環境的に優れた効果があるとして樹木葬が話題になっている。